日帰り手術
当院では以下の日帰り手術を行っています。(予約制)
昼来院・手術終了後様子を見てほとんどの人が歩いて帰れます。
痔瘻(痔ろう)
1. 原因
よく痔と痔瘻を間違われる患者さんがおられます。痔瘻は慢性の感染症と考えて下さい。
パンツに膿がついていることから発見されることが多いです。
原因を理解する前に、肛門の構造を少し御理解下さい。
肛門の奥は、数cmの狭い部分(肛門管)が急に広くなる境にくぼみが多く並んでおり、歯ぐきに似ているところから歯状線と名づけられています。このくぼみを肛門小窩と言いますが、ここに便カスがたまり、細菌感染をおこすと膿のトンネルがどんどん伸びてゆきます。
一番単純なものは①のように粘膜の下を通って外(皮膚)へ開口します。多いのは②のように内外括約筋の間を拡がって皮膚へ開口するものです。なかには③のように、内外括約筋を貫抜いて非常に離れた所へ開口するものもあります。
2. 痔瘻の手術
膿の皮膚への出口を2次口と言いますが、まずメスでその周囲の皮膚をり抜きます。
単純な膿のトンネルであれば肛門小窩までいっきにトンネルをくり抜きまくす。
その後、粘膜断端から出血しないよう糸で断端を連続して縫います。
膿のトンネルが筋肉の中を貫いているような深いものでは、これを切りとると括約筋を切ってしまい、術後、肛門のしまりが悪くなる場合があります。そこでゴム糸を通してループ状にくくっておきます。
生体は自分の体にないもの(異物)を体から排除しようとするので、時間と共にゴム輪は浮き上がってきます。
ということは、ゴム輪と共に膿のトンネルが浮き上がってくるという事で、数ヵ月すれば自然にゴム輪がとれる→膿のトンネルがとれるということです。
これをシートン手術といいます。
氷に硬い糸をかけ重しをつけると時間と共に氷を切ることなく、糸は抜け落ちるという理屈です。氷を肛門括約筋と考えて下さい。括約筋を切断することなく痔瘻のトンネルが体外に押し出される理由がおわかりいただけると思います。
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