痔核
1. 原因:2つの考え方があります。
肛門は、内側と外側の括約筋(しめつける筋肉)と一番内側の粘膜とからなる筒だと思って下さい。
粘膜層は内括約筋と接着剤のような組織(図の緑色の部分:肛門クッションと呼びます)でくっついています。
排便の時きばると接着剤が断裂し、粘膜が外へすべり出します。それと同時に粘膜内の静脈の流れが悪くなり血管も拡張します。
もう一つの考え方は静脈の流れが悪くなり(うっ血)血管が拡張し痔になるというものです。
肛門を下から見た時、時計でいうと、肛門の血管は3〜4時、7時、11時の3方向にあり、このいずれか、又はすべてを始点として痔は発育していきます。
肛門クッションの断裂も静脈のうっ滞もきばることで大きくなってゆきます。
2. 痔核の手術(結紮切除術)
|
① |
3、7、11時の痔核の皮膚部分を小さく切ります。 |
|
|
|
② |
痔核をどんどん奥の方へ括約筋よりはがしていきます。 |
|
③ |
根部を糸でくくり痔を切り取ります。 |
|
④⑤ |
切り取ったあとの粘膜の両断端を、根部をくくった糸で連続して縫い縮めます。 |
|
|
|
|
⑥ |
くくり終ると断端が根部の方へ引き込まれるように縮みます。 |
|
|
|
皮膚部分はわざと開放しておきます。ここから粘膜下にたまった血液を排出する為です。1〜2週間で自然に閉じます。
イラストは3ヵ所切っていますが、実際は小さなものは硬化療法(ジオン注)を併用しますので、1〜2ヵ所の切除ですみます。